終わり始まり


いろいろと事件がありまして
blogを書こうも感情的な文になってしまうので暫く頭を冷やしていました。

簡単に言うと
教えている水泳チームのメインコーチがトラブルを起こし
一緒に指導する事が困難となってしまいました。

せっかく泳ぎが上達したのに
故郷へ帰っていく選手達

何故?

選手の集中力がない

何故?

いろいろと私なりに考えていたんで
ある日悩みを同僚達に話すと

メインコーチが女子選手に手を出している事が発覚
それも1人2人でない…

これまでチームを去った選手達の顔が頭に浮かび
怒りと憤りが込み上げる

それも女子の指導は私が担当
400mしか泳げない子達が
4000mも泳げるようになって

凄い頑張ってる
泳法もドンドン学んで
毎日指導が楽しみでした。

その影でね…

私も問題が発覚した時は怒って
マネージャーに抗議しました。

しかし外国人のわたしにできる事には限界がありました。

そもそも水泳コーチなんていない国で新しく雇える人材もいない

私にチームを任せたい気持ちはあるが
国外退避になりチームを離れる可能性がある治安状況


マネージャーの判断は
コーチを厳重注意して、再度協力して練習を行ってくれ。


こんなコーチに任せてられない
協力なんてできないと
私がやってやると奮起してみましたが

20名以上の選手、それも男女を一度に観ることはできませんでした。

練習計画に沿って
泳ぐ距離を維持しながら
選手達の技術を高める

説明をしなくても
練習メニューをこなしていく中で
技術が向上するように
段階的にドリルを組んで
やってみましたが
選手達からは
分からない、出来ない…

距離も技術もいっぺんに
日本のようにやろうとした自分

説明しようも言葉のボキャブラリーが少な過ぎて伝わらない
サポートしてくれるスタッフも練習の意図とは違うことをやってしまう。

これは駄目だ…
私にはメインコーチで練習を仕切ることは出来ないと悟りました。

まぁ協力隊あるあるですが
やる気を出せば出すほど
空回りする。

程よい距離感と冷静さが必要

頭では分かっていますが
選手たちへの想いが強くて
全部引き受けてやろうと躍起になってしまいました。

あっさり
打ちのめされましたが
後から思うとトライしてみて良かった。


マネージャーやアベラ達には

やってみたけど
俺にはメインコーチは務まらない
私の指導力は低いし、言葉の壁は更に大きい
力不足だったと謝りました。

いろいろ悩み
結果行きついたのは

出来る事をやる
無理しない

マネージャーには
コーチン連盟会長ミカエルさんに
オファーしてみてはと提案

私は練習は仕切れないけど
一緒に選手達と泳ぐことはできる。

水に入って
手足をとってこーだ
お手本を見せる

プールサイドで教えるより
100倍理解してもらえる

自分の出来る事は
泳ぎの楽しさを教えること

張り切り過ぎず
やっていこうと決めました。

いつの間にか問題コーチはチームを離れる期間も長くなり
短期スパンですがミカエルさんが来てくれるようになりました。

なんか
勝手に落ち込んで悩んでましたが
選手達の切り替えは早い

この国は野生動物は激減しましたが
何より人間が野生的

嘘つく、悪口いう
キツイ事はしない
しんどくなったら直ぐ休む

素直なんですよね
全てにおいて

人間も動物
理性もなくす

日本人が利口すぎるのかもしれません。

物事が上手くいかないのが当たり前の国で育った人達は
本当にたくましい。

この一件で更に選手は減りましたが
また元気な顔で練習に取組む選手達
本当タフです。
(タフの言葉が適当か分かりません。)

もう終わりと思った時期もありましたが
また新たな気持ちで始まった気がしてます。

残り大会まで3カ月
諦めずやってみます。

心機一転みんなと撮った写真

水泳コーチングセミナー in Arbaminch


9/25~10/5にかけて
南部民族州から20名程度が集まり
アルバミンチ大学のプールで
1st Level 水泳コーチングセミナーが行われました。

ここで出会っのが
セミナーの講師としてきた
Mr.Mikael( 通称Miki)

後々知りましたが
アメリカで水泳コーチのライセンスをとり
今はエチオピアコーチン連盟の会長してる方でした。

エチオピア国内の水泳関係の組織は
水泳連盟コーチン連盟ライフセービング連盟と3団体があるらしいです。初耳…

前回私が見せてもらった
2nd Level コーチングセミナーは
講師も水泳知らない
動画を見せて偏った個人的主観を参加者に教え込み

どう見ても溺れてる
泳ぎとは言えない受講者も
資格を発行してもらえていました。

この国のライセンスは意味がない
溺れてても上級資格をもらえる

どうやって指導するんだろうか…


そんな現状を知っていたので
今回のセミナーも杜撰なもんだと、期待していませんでしたが

この講師が素晴らしかった
当初から
全員に資格は出さないとキッパリと述べる姿勢

講義も重要だが
水に入って技術的な事を学ばせたいといっていたMiki


顔を水につけるとパニックを起こす受講生もいて
そんな本当に初心者の5名程を私は面倒みさせてもらい。

水中で力を抜くために
目を開けてみよー
息をぶくぶく
蹴伸びしてみよう

水慣れと
泳法にチャレンジするくらいしか
サポートしてあげれませんでしたが

少し水への抵抗がなくなったようで
よかったです。

泳げるグループの受講生には
クイックターンを見せて欲しいと言われデモンストレーション

うぉー

私のターンなんて全然なんですが
ちょっと歓声が上がりました。

みんな真似てターンするも回れない

回れる人は鼻に水が入ってパニックになる…

ターンの時はね
鼻から息吐くんだよ

うぉー!

また歓声が
本当だ頭が痛くないよ!
いろんなところでターンしてはしゃぐ良い年の大人達

さて
テストはどうだろうか
アベラ達ライフセーバーも受講する事が認められたけど…
泳法は…まだまだ

心配だ


テストは
受講生20名全員の4泳法を動画にとり、受講生自身で採点するものでした。

キック、ストローク、水中姿勢、ブレス技術を3段階評価

指導者は泳げるだけでなく
どんな泳ぎが正しいのか見分ける力が必要

ミカエルさん流石です。
感動しました。

こんな講師がエチオピアにいたなんて

テストを終えて
結果は後日
(通常エチオピアは、閉会式に全員ライセンスの修了証を貰えます)
ここもお見事

しかし…
アベラ達受かってるのか
不安でならない


数日後

アベラ
ツガイ
アイヤロ
3名のライフセーバー全員にライセンスがきました。

加えて
ブブ、イサック、アイチョウ

アルバミンチ大学のスタッフは全員合格したようでした。

合格理由は
泳法は十分でないが、Kotaro(私)がここにいるから今後の成長を見越して資格を発行してくれたとアベラが説明してくれました。

なんと
融通のきく人なんだミカエルさん

アベラ達ライフセーバー待望のライセンス

よかった!!
本当に良かった。
この国のライセンス何て格好だけなのは変わらないけど
普段から頑張ってるライフセーバー達がやっと報われた瞬間でした。

私も嬉しくなって
みんなを写真とって
ランチをご馳走しました。

あーこの日のランチは格別
よかったねー
アベラ、ツガイ、アイヤロ


賞状を受取り喜ぶ3人


ランチはスガグックル
(牛骨煮込みスープ)

何故いなくなる?


私が首都の会議やイベントと参加するため練習を3,4日抜けて帰ってくると

必ずといっていい
選手が数人自宅に帰っている…

あー
またか

もう始めから指導していた選手は何人残っているだうか。


せっかく
泳ぎよくなっていたのに
嫌だった体幹トレーニングも出来るようになってきて
泳ぎが変わってきた

そんな時に地元に帰る選手

理由を聞くと
地方から来た選手達は学校に行きたがっている

大学内の付属校への編入手続きがもたついているのは知っていたけど
来週から学校へ行けるようになるって聞いてたよ

なんで?

今回は男女合わせて7名近くも離脱

あー
もう何回この繰り返しをすればいんだろ

7ヶ月の長期合宿って
選手が入れ代わるんなら
長期にする必要ないじゃん

プロジェクトマネジャーの
パウロスに話しをした。

せっかく指導しても
選手はいなくなって
また新しい選手を1から指導

このプロジェクトは何がしたいんだ。今後もこの状態なら私は指導は続けられない。

パウロスさんからは
民族出身の選手達は、精神的に弱い。1人が風邪を引くとみんな体調を壊す。今回も1人が弱音をはいてそれに続いてゾロゾロ地元に帰ったようだった。

本当であれば
地方大会があって、勝ち残った選手がこの代表チームで練習すべきだが、ただの寄せ集めチーム。
選手自身が代表選手である自覚がないとパウロスは説明してきた。

今後はメンバーの入れ替わりはない
約束する!
これからもう一度頑張って指導してくれ


話しは分かった

親元離れて毎日水泳漬け
年末年始も地元に帰れなかった選手たち

そりゃホームシックになるし
自由を求めてしまう気持ちは分かる。

わたしに出来ることは何か
言葉も分からん
彼等の文化も分からん

7名離脱したのに
その日も変わらず練習を続けた
残された選手たち

コーチも選手も
集中力なんてない
グダグダの練習

仲間がいなくなっても
プールに来て練習をした選手

私が出来るのは
残った選手たちへのサポート

練習終わりに
少しだけ時間をもらって
アムハラ語と英語で選手達に話しをさせてもらいました。


まず
今日練習に来た事に拍手
彼氏や彼女、もしかしたら旦那や嫁がいる選手もいるかもしれないな。
選手たちに冗談交じりに質問をして
家族や友達と会えなくて寂しい気持ちは良くわかると言いました。

私も同じ。家族や友人は遠い日本にいる。2年間会えない。だから、選手たちの気持ちは分かる。

別に水泳で人生が変わるわけじゃない。家族を1番大事にして欲しい。友達を大事にしてほしい。地元に帰っても構わない。

ただ、わたしはここにいる
3月の大会まで私はここにいる。
親や家族の代わりはできない。
水泳しか教えてやれないけど、おれも精一杯がんばると約束する。

伝わったか分かりませんが
伝えたかったのは、こんな感じです。

話しを終えて
ちょっとだけ表情を明るくしてくれた選手たち

わたしの勝手な決意表明になってしまいましたが

何となくでも
変な外国人が何か自分たちの事を思ってくれたと気付いてくれたみたいでした。

水泳を楽しいと
成長を感じさせてあげれるような
指導をしていきたい。

実力不足ですが
自分の言葉には責任をもって
もっと良い指導ができるように勉強していきたいと思います。

お願いだから
いなくならないで…

選手の成長

エチオピアの新年が明け
新しく加入した女の子7名を
指導するようになりました。

はじめはバタ足すら出来なかった女の子達

2時間半の練習で400m泳ぐの精一杯

これは骨が折れるな
そう思っていたのに

毎日、朝と夕
確実に成長していく選手たち

指導始めて2週間で
クロールとブレスト(平泳ぎ)は形になって合計2000mのメニューもこなせるようになった

そして
1ヶ月たつと
合計4000mのメニューがこなせるようになってきた
泳法も完璧とは言えないけど
バタフライ、バックも出来るようになってきている

なんて
のみこみの早い子どもたちでしょうか。

凄いなー
初歩から教えたから
ストリームだけいったら男子より綺麗にとれる女の子7名

まだ身体の使い方がわかってない部分はあるけど

これからもっと伸びる


ダスネッチ語
ニャンガトン語
カファ語
シダマ語

選手たちのおかげで
アムハラ語に加えて民族毎の言葉も覚えてきました。


そして少しずつ指導の自信もついてきた。

本当に毎日が楽しい

選手たちと
カスバカス(一歩一歩)

子供が夢を持てない世界

選手達のモチベーションをあげたい

水泳で良いタイムを出したら
国際大会に行けるかもしれない

3年後には
日本でオリンピックがある

日本に行けるかもしれないよ

ある日
私がこう話すと
選手たちからの答えは

オリンピックには
水泳連盟の息子がでるんだよ

俺らは行けない
こう返ってきました…


日本でもニュースになった
リオオリンピックのエチオピア水泳選手

エチオピア水泳連盟の会長キュロスの息子が出場

タイムは100mFree style 1'04"
だんとつビリでしたが
拍手でゴールを迎えられたらしいですね。

私はこのタイム出せないレベルだし
エチオピアでも上位のタイムです。
(日本の競泳レベルだと中学生で100mFreeは1分切るのは普通らしいです。)

話しを聞くと
リオ前のエチオピア国内選手権で、
この会長の息子に勝ち優勝したのにオリンピックに出れなかった選手が私のチームにいたんです。

アチェラ18歳
身長は180cm以上
手足も長くパワーもある

ポテンシャル高い選手


オリンピックはコネが無いと出られない世界だという選手たち

子供が夢を持てない世界

誰がこんな状況で
もっと上を目指したいと思えるでしょうか。

頑張って優勝しても
そこで終わり…

私は
選手達にかける言葉は見つかりませんでした。


私の密かな目標は
3月の国内選手権で
南部民族州の選手がぶっちぎりで優勝すること

エチオピア
男子50m Free 27秒出せば間違いなく優勝できるレベルです。

しかし
南部民族州の選手達は練習量は十分
少し技術的に改善されたら
身体も大きくて手足も長い
25秒も切れると私は思っています。

伸びしろしかない

圧倒的な差を見せつけ
今度こそ
実力で国際大会に出場する選手が出て欲しい

そして
子供たちが夢を持てる世界になって欲しい

これが
私の願いです。


いつもアホな事をする
お調子者アチェ

バナナ1本じゃ足りないとゴネるアチェ

4th Report

約1年前に配属長と交わした約束
活動レポートの提出

彼との関係は
会っても挨拶もせず
空気のようなモノなりましたが
約束は約束

7~9月の活動レポートを職場に提出しました。

だんだんレポートの形にするのは慣れてきましたが、英語は相変わらず

今回は
赤ペン先生ことアツネーに
起承転結で書いてある文を
結論から述べましょうと
文の構成の指導を頂きました。

これは難題

SoやThereforeの後の文を文頭に持ってくるようアドバイスを受けましたが

頭を英語にする必要がある

最終的に提出出来たのは10月中旬

もう結論から述べられているかも
分からなくなるも…
何とか提出

以下
試行錯誤の末
方向性が見えなくなった
4th Reportです。






アーメン

アーメン

先日
同僚のイサック宅で3歳になる息子さんの誕生日に出席しました。

イサック家系は
厳格なプロテスタント

お祈りが欠かせません。


午後2時にイサック宅に着くと
聖書を持った人が集まっていました。

すると
アーメン!!

アーメン!!
アーメンアーメン

アー!!
メン!!

怒鳴るような大声で
アーメンの連続

牧師的な人が
出席者を1人ずつ立たせ
聖書を持って神からの言葉を代弁していく

女性は悪魔が乗り移ったかのように
大声で叫び暴れ

牧師が何かを唱えると
気を失い倒れる

最初は驚きましたが
何度も同じような寸劇が繰り返されるので、途中は退屈でうたた寝をしてしまいそうになる。


そして私の番
アーメン
①あなたはインドから悪いモノがついてきている。
②あなたの災いはあなたの履いているトレッキングシューズが身代りになって守ってくれるでしょう
③あなたは4年後結婚するでしょう。

アー!メーン!
聖水を頭にビシャ!

どうもありがとうございます。
①→確かに15歳でインドに行ってなかったら、こんな辺鄙なストレス溜まるエチオピアなんて来てないわ!正解

②→靴が身代りになってくれんか
ありがとう

③→私もそのくらいで落ち着きたいと思っております。


昼2時から夕方6時ごろにまで
この繰り返し

もう頭がクラクラ

信仰心って凄いですね。

エチオピアキリスト教徒が多く
エチオピア正教として独特の宗教感があります。

オーソドックスと呼ばれる宗派と
今回のプロテスタントに大きく分けられます。

すっかり訪れた目的を忘れてしまいましたが
刺激的な誕生日会でした。

アーメン


イサックの息子ゲテヤロ君
この後お母さんに悪魔が乗り移ってギャン泣きしてました。