中間報告会を1週間後に控え

同僚のブブやアベラに
資料を確認してもらい
順調に準備を進めていた火曜日

お昼の時間になり
バスサービスに乗ろうと歩いていると

来ました
チョンべ教授

私を見付けると
人差し指1本で
Hey Kotaro !
呼ばれました。

相変わらず失礼な野郎です。

何故わたしにインビテーションレターが来てないんだ

レチャレ副学長と部下のブブにはレターが届いてるらしいじゃないか

何故私にはないんだ!
JICAに確認しろ
私が行けないなんてありえない
君が私のレターを準備しろ
etc…


相変わらず
シャウトしまくる彼
本当に鬱陶しい

呼ばれてない
そりゃそうですよ

私が招待してないんだから
君の目的は私の発表でなくて
バジェットだろ

経営してるバーの資金不足で
大学の備品の冷蔵庫やセメント200kgかっぱらったと
みんな知っています。

本当にどうしようもない
適当に返事をして同僚達の待つ車に乗り込む。

(同僚達)大丈夫か?

問題ない
相変わらずうるさいやつだ

人差し指1本で呼んできたし
本当失礼なやつだな

と私が言うと
ブブが激怒

人差し指1本で君を呼んだのか⁉︎

その呼び方は最低の呼び方だぞ
エチオピア人はそんな呼び方をしない!
汚い犬を呼んだり
汚いヤツを呼ぶ時に使う呼び方を彼は君にしたのか!

ふざけるな!

ブブが声を大きくして車内で怒りました。

えっ!?

そんな意味があったの…


確かに失礼だと思った
でも、文化の違いもあるからその場では怒らなかったけど


犬…

最も蔑んだ呼び方…


俺は何なんだ…


何をやっても駄目なのか

何故あんなヤツに蔑まれないといけない。

頭が真っ白に

もう昼飯も食う気にならず
ホテルに着いてBARのベンチに座り込む。

エチオピア
アルバミンチ大学のスポーツアカデミーデパートメントの教授
チョンべ

彼はそんなに偉いのか?
何をしても良いのか?

JICAボランティアって何んだ?

これまで
彼との関係も私のアプローチを変えれば、何とか改善できると思ってきたけど

もう無理だ

こんなところにいれない

自尊心って言うんでしょうか
努力をして結果を出せば
認められる

これまでの人生を全て否定されたような感覚


人間を否定された…


あんなヤツの対応なんて
気にする必要はない
頭で分かっていても
込み上げる無力感…

私はそんなに蔑まされる人間?


もう訳が分からず
ただただショック


次の日は大学に行けませんでした。

何のモチベーションもない


帰りたい

もう続けられない

人権侵害って
この事を言うでしょうか。

人間として扱われない感覚を
私は味わいました。


しかし
私が出勤出来ないこの日
イサックやアベラが電話をくれました。

何があったんだ
大丈夫か
またあいつがやらかしたのか

休んでも何も問題ない
ゆっくり今日は休んでくれ

明日は来れるか?
俺達がついてる
君を守ると

言ってくれたアベラとイサック


もう
本当にショックで何も考えられなかったけど

私を大切に思ってくれる仲間がいる
必要としてくれる…


本当にこの電話に助けられました。


次の日
彼等のおかげで大学に出勤できました。

1日中私のそばに着いていてくれる同僚達

話しを聞いてくれ
少し楽になる

それでも頭から
あの人差し指のシーンは離れない


そんな私を観ていたイサック

コウタロウ!
体育館に行くぞ
バドミントンの勝負だ

彼の事で自分を見失ってはいけない

行くぞ

体育館に連れていかれ

2人でバドミントン


私はバドミントン素人で
振り回されるばかり
前に後ろに走らされ
シャトルを追いかける

トレーニング並みに追い込まれ

汗だくになる

何も考えず
無心でシャトルを追いかける

はぁはぁはぁ

足が止まる


イサック
ありがとう

チョンべが頭からいなくなったよ


そうか!
それでいんだ!
何も気にする必要がない
あいつ何てどうでもいんだよ
自分を見失ってはいけない


膝に手をつき呼吸を整える私にイサックが言ってくれました。


この時の気持ちを上手く表現できませんが

心からありがとうと
イサックに返しました。


アベラやイサック達のおかげで
エチオピア人を嫌いにならずに済んだ。

ありがとう

シンドくても
この戦いは逃げてはいけない

私は人間
日本人
日本政府のオフィシャルボランティア

何も恐ることはない

Mid-term presentation

7/20(木)
JICAボランティアにとって活動の大きな節目である中間報告会がありました。

1年間の活動を英語でプレゼンする

TOEIC415点のわたしが英語の資料を作り、人前で10分間英語で話す。

考えただけで
恐ろしい…

しかし
やるしかない

これまでのレポートを基にスライドを作ってみたら
スライド38枚の15分の発表になりました。

これでは駄目だ

何度も添削を重ね
アツネに発表を聞いてもらい

発表前日まで資料や原稿の手直しを重ね
スライドは20枚に厳選
時間は9分半で行えるようになりました。

今回は総勢18名の隊員が発表する事もあり
同期隊員と事務所との打ち合わせの末にグループ発表となりました。

小学校教育
木工
スポーツ
幼児教育
観光
理科教育

聴講者が退屈しないように
内容を吟味し、その中にそれぞれの活動を発表しました。

いろんな工夫があって、苦労があって、自分の活動にも使いたいアイデアがたくさんありました。

私の発表もスポーツ隊員と協力し
東京オリンピックに向けた
Sports for tomorrow事業
個人発表
活動ムービーで締めくくりました。

何度も見直したスライドと原稿

腹をくくって
英語を間違えても堂々と

準備してきた分の発表をする事ができました。

発表を終え
みんなで記念撮影

企画から準備、発表まで
本当にこのメンバーで良かったなーと思いました。

残りの活動も半分
心は折れまくりですが
このメンバーと残りの活動も頑張っていきたいと思います。

イサック家族

土曜日の午後
以前から誘ってくれてたジムのマネージャーをしてるイサック家を訪れました。

いつも通ってる大学から
ミニバスで10分
シェアラという集落に着きました。

街中では
チャイナ、チャイナ
の合唱で歩くのも億劫になっていましたが

シェアラの集落では
わたしを見て子供達は物陰に隠れ、物珍しそうにこっちを見る

ほんの少しだけ街中から離れたただけでこんなに違うのかとミニバス降りただけて感じました。


さて
小道を抜けて
イサックの家に到着
木を並べただけの塀にトタンのドアを開けると

母屋だろう大きな家があり
左手に親族の寝室と使われている小部屋がならぶ

奥には
家庭菜園がありトウモロコシが生い茂り

その横に
木枠の囲いだけの調理場

4羽の鶏が元気に庭を歩き回る

凄い広い家だねイサック!

昔ながらの生活を続けるエチオピア

そして
イサックの奥さんと妹達が私の夕食の支度をしているのを見学

お母さんが巧みに綿から糸を紡いでいるのを見させてもらい

2人の小さな子供達と
テフ畑に行きました。

イサックの家から山の方へ向かって
500m程歩いていると

すれ違う人みんな親戚
周辺一帯が大家族で
とても丁寧に挨拶をしてくれました。

イバラを除けてテフ畑に入ると
ススキのような
穂をつけたテフ畑が野球場並の敷地一面に広がっていました。

※テフとはインジェラの素となるイネ科の植物です


山の麓にあるテフ畑の風景とイサック家族

心地良い風が吹き抜け
2人の子供達がテフ畑で遊び回る

あーいいところ

癒されるわー


のんびり散策をして家に帰ると
夕食の準備がされている。

コチュというエチオピアのパン

そしてキャベツの葉とジャガイモを蒸したもの

そしてお客さんが来た時に出す
餅米のような粘りのある豆を蒸したものが順に出てくる。

味はシンプルに塩味がきいていて美味い!

散策してお腹が空いていたので
たくさんご馳走になりました。


イサックのお父さん、お母さんもいい人でアムハラ語で和やかな時間が流れる。


こんな場所に住みたいな…
街中とはもう別世界

そうそう
こんなアフリカを想像してエチオピアに来たんだよなー

やっと来れた

ありがとうイサック
6月末はレポート作成でバタバタ
7月に入っても月末に控える中間報告会に向けて昼夜準備

そんな時期に
ここに来れて本当に良かった

ありがとうイサック
次回は弟が来た時に
マンゴーやパパイヤを育ている
湖のほとりの果樹園を案内してくれるとの事でした。

たまに来て
気持ちをリセットできる場所を見つけました。

イサック家族ありがとう


3rd Report

7月上旬の話しになりますが

4〜6月までの3カ月レポートを提出しました。

久しぶりのレポート作成
英語の文書作るのも久々で
頭が回らない…


あー
書きたいことはたくさんあるのに


所長が来た時に日本語では作ってみたけど

日本語を英語に訳す作業は逆に大変…

いつまなら
簡単な英語の表現だけ使ってるけど
英訳になるとそうはいかない

昼間はプール開設準備
パソコンいじる時間はないから
夜ホテルの部屋に戻って作業

あーもう2時、3時に寝るのが当たり前の2週間

出来上がったレポートを
赤ペン先生アツネに見せると
ものの30分で添削修理

Waho!!

10枚のレポート添削をさらーっと

英語もっと出来るようになりたい…

さすがです
あつこさん!

なんだかんだで
ちゃんと期限内にレポート提出できました。


さーて
一息つきたいところだけど
7月末は中間報告会

あー
英語でプレゼンなんて
私にはキャパオーバー…

準備するしかない

これまでのレポートが自分の武器!

頑張ります!

下記3rd Report です。

マラリア予防薬

マラリア予防薬

私の住むアルバミンチは
標高1300mでマラリア蚊の流行地帯なので予防薬を服用しています。

以前も少し書きましたが
週一回服用と
毎日服用の2種類があります。


私の場合は週一服用の薬を長く使用してましたが副作用が強く出てしまいました。

気分の落ち込みが激しく
何でもない事でも気にしてしまったり…
そして体力が落ちた時にくる悪夢

いろんなパターンがありますが
大蛇に襲われたり(蛇大嫌い)、巨大カブトムシが出てきたり
それも
一晩に6回も7回も起きてしまう。

流石にホテルのオーナーが部屋のドアを蹴破って私を殺しに入ってきた悪夢は
流石に大声で叫んでしまいました。

そんなこんなで
毎日服用タイプに変える事にしました。

経過は…
順調です。
気分爽快
悪夢なし!

変えてよかった

1つ服用作用が出てるとしたら
日光過敏になること
40度近くの気温と強い日差し
プールにいたら尚更

日焼けし易くなったせいで
疲れが残っちゃう


薬を常服するのは
私には合わないみたいです。

でも亜熱帯マラリアにかかって死にたくない…

服薬する時間を夜に変えたら
だいぶ日焼けも楽になってきたので
このまま頑張ります。

誰が主役

プールが満水になった!
やっと水泳ができる。

前日に雨が降っていたから
ペットボトルに塩素入れて浮かべといてね。
そう言って家路についた金曜

土日はプレゼンの準備をさせてもらうためにお休み

さー月曜だ
水はどんなかな〜
綺麗かなーと
ウキウキしながらプールに着く

ん?
ペットボトルが浮いてない…?

そして水はGreen…

ちゃんと指示したやん
なんで?

なんで塩素入れてないの
そりゃ緑になるよ
雨降ってたじゃん

いつも
出来るだけスタッフに期待はしないようにしてるし
ミスがあっても仕方ないと諦めてきたけど

5カ月ぶりのプール
みんなでジェネレーター修理して、いろんな部署の人がたくさん助けてくれて再開できた

諦めきれない気持ちを
素直にスタッフ達に伝えました。


何故だ
あんなにライフセーバーの仕事を望んでいて、やっと始められるのに始めから水は緑

何も前回の変わってない
俺も何も水質管理の知識なんてなかったよ!

みんなで観察して記録して
ノウハウを付けてきたんじゃないか。
これは人的ミスだよ
防げた事じゃないか

副学長までお願いしに行って
みんなに協力してもらったのに
こんな仕事やってたら
誰もリクエストなんて聞いてくれるはずがないじゃない。

君らの責任感は何なんだ

お願いするだけして
自分の仕事の責任を果たせないなんて

いつも愚痴ってる
オフィサーと変わらないじゃないか

私の気持ちをぶつけて
スタッフからの説明を聞くと

私が指示を出したスタッフは薬品庫の鍵を持っていなかった

鍵を持ってるスタッフが来ても
何の伝言も無しに帰ってしまったという事だった

んー
これはミスコミュニケーションだった


私だけが
金曜に塩素を入れないといけないと
シリアスに感じていたけど

スタッフは感じていなかった…


これまで観察してノウハウ付けてきたけど

考えてアクションをしていたのは私だけだったのか…

スタッフは私の指示を聞いてただけ

自らの考えはなかったんだ


そーさせてしまっていた自分のやり方を反省しました。


よし
これからは
私は指示を出さない
みんなで考えよう

わたしの意見も1つの意見に過ぎない

私含めてライフセーバー4人みんなで話し合って決めていこう。


そういう意味では
今回の失敗はいい教訓になる

みんなで話し合ってトライして
結果がダメな時もある

でもトライする事が大事なんだ
話し合ってトライして
結果だめなら次の方法が分かる


雨降って地固まる


指示を聞き流してしまった
アイヤロ(スタッフ)も反省しているようで

虫やゴミが浮いていたら
せっせと網ですくうようになった


今日は水質どうかな?
塩素いつ入れる?
何キロ
どうやって散布する?

みんなで考える事が大事

私は主役じゃない

彼等が主役

今回の件で
わたしもスタッフもとても良い教訓を得る事ができました。


緑がなんだ
すぐに綺麗な水に変えてやるぜ!

How to lift and carry the patient


ゲットした毛布でもう1つ指導したのは搬送方法

毛布の両端を丸めた
簡易ストッレッチャー

4つ端と腰の部分にそれぞれ付いて
6人でキャリーする方法です。


棒2本あれば
毛布を織り込み
2人でキャリーできます。

毛布がなければ上着を使って担架にする事もできます。

これらは
日本の災害現場でも使われているようです。
日本の救急隊の方々の知恵や工夫は凄いなとつくづく思います。

自然災害が毎年のように起きる日本

その日本で活躍されてる消防、救急隊、病院関係者の技術やノウハウは世界随一ではないかと思います。

こういう知識は
どんな場面でも役立ちそうです。


こんなやり方もあるよ!
という方がいらっしゃいましたら
是非連絡下さい。

よろしくお願いします。