首相辞任~非常事態宣言~

2018年2月13日 PM3
エチオピアのハイレマリアム首相が辞任。

国内情勢悪化に白旗を上げさらっと首相が辞めてしまうこの国…


水泳練習中に突如同僚から報告が入りました。


どうなるんだ
この国は

2月中は治安関係のメールがJICA事務所や大使館から毎日送られてきました。

現政権は
エチオピア北部のティグライ州の議員が大半を占めており
他の州、特にアムハラ州とオロミヤ州からとても反感をかっていました。

ロードブロックやバスの焼き討ち、手榴弾の投げ込みなど
ニュースが絶えません。

そして
それを武力で鎮圧する政府のやり方に他国からの避難が集まっています。

首相辞任から直ぐに
非常事態宣言が可決

しかし
88票の反対票が投じられたようです。
全体数がそもそも分かりませんがこれは大きな変化

何故ならこれまで
反対票が投じられる事がなかったから
というより
国会でもどこでも
政府の政策に反対する事が許されてこなかったから…

私の大学でも頻繁に政治的な集会が開かれます。
その際もみんなが賛成の手をあげることが義務化されており
もし反対の手をあげたら罰則として給料が支払われません、

まぁこれを
エチオピア政府は民主主義だといってるんですが

外国人からしたら本当に馬鹿馬鹿しい


首相辞任後の
後任は誰が勤めるのか

エチオピア各州で候補者が名乗りを上げています。


そんな最中
JICAボランティアの派遣地域でも暴動が発生し
勤務地の市役所が焼かれ
銃声が鳴り響いたそうです。

現在少なくとも3名が首都退避しています。

このような事がいつ自分の地域まで及ぶかわからない…

2/27事務所から
[最悪の事態を想定して]のタイトルで
自宅退避→首都退避→国外退避
があり得る状況だと緊急事の備えをして下さいとメールがきました。

これを見て
いよいよ緊張が高まる

しかし
JICA事務所では肝心なボランティアが避難する際の
退避基準というものが決められていない…

私の活動するアルバミンチは小さな街です。空港があるものの一度暴動や略奪が始まれば巻き込まれる可能性は大

事務所が退避命令を出した時は既に身動きとれない状況になっている事がイメージできました。

現地の状況を知っているのは
ボランティア自身

自分の身は自分で守る


昨年退避命令を受けた際に確信しました。

指示待ちでは命はなくなる。

自分の意思で行動する
※こんな事を書いたらJICAに怒られそうですが本当の事で

地図を見ていては人は見えません。

事務所からのメールをみて直ぐ

退避ルートの確認
情報収集
携帯か使用不可の際の集合場所
etc…

考えられることは全て書き出し文書にして、
アルバミンチ隊員4名で集まりました。

暴動が発生した場合の備えなどを確認し
最後に総意として
退避基準の案をまとめました。

①活動地から首都につながる道路で2週間以上ロードブロックが継続される場合

②南部州の州都であるアワサが治安悪化した場合


暴動が起きてからでは遅い
起きる前に避難しないと逃げ遅れる

活動が順調に進む中
こんな事考えたくないし
せっかく頑張ってる選手達をおいて逃げるなんてしたくない

しかし
命あっての活動
無理はできない

直ぐに出来上がった退避基準案を事務所に提出

全て採用されました。

JICA…国際機関だろ
と思われるかもしれませんが

日本人は危険意識がそもそも低い

それはアフリカにきて心底思うことです。

何か起きたら
その場から動かず指示を待つ

学校で習ったこと

しかし
実際の現場になったらまったく逆です。

直ぐに逃げろ
指示なんて待たない

銃声が聞こえたら
危険だと思ったら逃げる


平和な日本ではあり得ない
学べない事です。

私は事務所の対応を避難しているんでなく、逆に感謝しています。

国の機関として普通ならトップダウンで隊員の意見なんて反映されないものです。

しかし
任地の状況を詳しく知っているのはボランティア自身で、そのボランティアの意見を尊重してくれる事務所の柔軟な対応に私は感謝しています。

何も起きないで欲しい

しかしエチオピアが変わるには
大きな変化が必要

それには多くの人が犠牲になるだろう…

自分の身も
ここで知り合ったエチオピアの人々も

本当に心配でなりません。

そんな中…

日本では
芸能ニュースばかりが注目される

本当にくだらない

日本人は
CNNやBBCを観て
世界にもっと関心を持つべきだし
海外メディアが日本をどう報道しているか観るべきだと思います。

そう考えると
本当に日本って平和だなーと思います。

でも日本もいつテロが起きるか分からないと思います。

本当に日本って安全だと思いますか?

東京五輪で沢山の外国人を受け入れる

爆弾なんて直ぐに作れる
レーザープリンターがあれば拳銃作れちゃう世の中。

自分達で危険意識を持つべきです。


話しはエチオピアに戻って

非常事態宣言の中
ロードブロック、暴動は各地で続いています。

それに伴い
3月に予定されていたスポーツの全国大会は4月に延期されました。

中止になる可能性も五分五分です。

これまで頑張ってきた選手達

でも
水泳の大会なんてどうでもよい
元気で平和に暮らせたらそれでいい

いつ退避指示がくるか分からない

選手達に
最後まで一緒に練習出来ないかもしれない。

選手の練習をみながら
今日が最後かもしれない

もっとこの選手達の成長をみたい

もっと自分の知っている事を伝えたい

同僚のアベラたちにも
3月に予定していたレッスンを前倒しでやらせてもらうなど

本当に1日が無事に終わる度に
感謝しました。

治安はもうどうしようもありません。

遅かれ早かれ
2020年の国民選挙を待つかどうか分かりませんが、間違いなく数年以内に大きな転換期を迎えるエチオピア

私ができるのは
ただ1日1日を悔いなくやっていく事

平和が少しでも長く続く事を祈ります。