子供の可能性

練習環境を整えつつ
指導体制の見直し

距離は泳げるようになった
しかし
技術的には私の目で観ても課題は明らか

しかし
言葉で説明しきれない
水に入って手取り足取りやるも
全員には指導が行き届かない

コーチへの教育…
これが1番無理…
大人は変えられない

半年も親元離れて泳いできた選手達
50人いた選手も
気付けば15名に

タイムが良かれ悪かれ
大会までもう誰1人も欠けてほしくないし

頑張ってきた選手を
勝たせたい

これまでサポートに回ってきたけど
このままでは
これ以上の選手の成長は見込めない


1月末
決意しました。

私が大会までの練習を全てみる

頑固だったコーチも
選手達の指導に行き詰まっているのが見えたし

早朝の陸トレはコーチに任せ
夕練のスイム練は私に全て任せて欲しいと提案


コーチのプライドを傷付けないように丁寧に説明し、

反発し合っていた
メインコーチのTacota から
同意を得られました。

これが何より大事…
以前は私とTacotaの関係が悪く
横やりや指導を妨害されたり、いろいろありました…

さー
私が全てみる
大口を叩いた私

考える…

練習中に細かい指導は
言葉の壁があって15名も見切れない


Free(クロール)
Back(背泳ぎ)
Breast(平泳ぎ)
Butterfly (バタフライ)
女子チーム

15名を5つのグループに分け
それぞれ練習メニューを作ることに

これまで
泳げ!休むな!立つな!
しか言われていなかった選手達は

この個別メニューを気に入ってくれました。

これなら私1人でもやれる!
少し兆しが見えました

しかし
紙に書いて渡すメニューに対して
練習中に質問が絶えない…

もっと選手と会話する時間が欲しい

選手達に正直に話しました。
私のアムハラ語が乏しいため練習中に的確な説明をすることができない。

練習開始の30分前にはプールに来て、練習メニューついて話し合う時間がほしい。


初めは数人だけでしたが

練習前に
選手自身がどんな練習がしたい。伸ばしたい技術は?
早くきたメンバーには
オリンピックやワールドゲームの動画を見せながら
自分の課題はどこだと思う?

考えさせるようにしました。

ターンでスピードが落ちること
ストローク数を数えてみたり
水中姿勢だったり

本物の泳ぎをみた選手達は
自分なりに課題をみつけて
練習に取り組むようになってきました。


すると
ほぼ全員が練習開始の1時間前にはプールに来るようになりました。


一緒に考える

やらされてた練習から
自主的な練習へと
明らかに変わっていく様がみえました。


更に
半年前から、これまでの
個人のタイムを壁に掲示

また前回大会の優勝タイムと
現在のタイムが比較できるようにしました。

毎週土曜はタイム測定

選手が練習前に
掲示されたタイムを見て
一喜一憂する姿が見えるようになりました。

後何秒でエチオピア1位になれるか
目標が明確になったことで

練習への集中力が格段にあがりました。

これならやっていける!

自己ベストがどんどん更新されていき

2月の段階で男子チームからは
前回大会の記録を上回る選手が続々と出てきました。

環境を整え
考えて練習するようになった彼等の成長は凄い

ただ女子チームは
タイム的にはとても厳しい

しかし
バタ足も出来なかった9月から各種目で決勝には残れるタイムまで成長

成長具合でいったら
男子よりも遥かに上回る

学校体育だったらこれで満足だけど
彼等は南部州の代表選手

ここで私が満足してしまったら
選手に失礼

男子チームが落ち着いてきた
2月末から
10日間集中的に泳法の見直しをはかりました。

距離泳いできた事で
基礎泳力がついている事を実感

始めてトライする
各専門種目のメニューもどんどん飲み込んでいきました。

スピードはともかく
ゆっくり綺麗な泳法を身につけさせる事ができました。

Backのローテーション
Flyのキックとストロークのタイミングは今も課題です。

その後は男子チームに女子も交ざりながらのトレーニングへ移行

メニューを渡し
練習中は男子がコーチ代わりに
女子選手を指導してくれるようになりました。

だんだんと
選手達だけで練習が出来るようになってきた。

サークルトレーニングも
本当にゆる〜く導入していき
男子の何人かはこなせるようになってきました。
※このサークルトレーニングについては詳しく別で書きます。

子供の成長って本当に凄い
アフリカだろうが
どこであろうが

子供の可能性は無限大

大人の役目は
環境を整えてあげること

いろんな不安がよぎる中
選手の成長に励まされる充実した日々を送っています。
本当に感謝です。


練習前に選手達とメニューについて話し合っている風景
いつの間とったのか…