CPR lesson


1月末はイベントが目白押しでした。
これまた自分でやらせて欲しいとお願いした事ですが

ボランティア総会のプログラムの一部で心肺蘇生法の講座をさせてもらいました。


エチオピアにはAED(自動体外式除細動器)が導入されていません。

また救急車を呼んで到着時間は道路事情を考えると予測不可能だし来ない事も考えられ
自分達で車を手配して搬送した方が早いのが現状です。

更に、昨年3月に私の活動する大学でサッカー中に学生が心配停止になり病院でなく教会に連れてかれ死亡
こんは背景からJICAボランティア向けに講座させてもらいました。

内容
・呼吸の確認(死戦期呼吸)の説明
・Hands only CPRの推奨
AEDの役割と使用方法

ガイドライン2015では呼吸の確認で普段通りの呼吸がなければ胸骨圧迫を行いましょうと記されています。

これは心配停止の患者にみられる
喘ぐような呼吸を
呼吸があると認識してしまい蘇生法が実施されなかった事例からきています。

実際に私もこの喘ぎ呼吸(死戦期呼吸)に遭遇し、判断に非常に悩んだ経験があります。

YouTube
この呼吸の動画、肌の血色が変化していく説明動画を見つけ、みんなに見てもらいました。

また普段からフェイスシールド(人工呼吸用デバイス)を持ち歩いている人はいない事から

Hands only CPR
(人工呼吸を行わず胸骨圧迫を行う)
のデモンストレーションを行いました。

ここでのポイントは
1.胸の押す場所
2.胸を押したら戻すこと
3.気道を確保しながら胸を押す

ポンプをイメージして心臓から血液を送り出す

そして胸を押しながらも
気道確保する事。
人工呼吸ができない状況でも酸素の通り道があれば、胸骨圧迫で肺が陰圧・陽圧になり酸素が供給される。

1人で行う場合でも患者の首裏にタオル等を丸めてしのばせると気道確保を維持することができます。

これは前職で学んだ知識です。


実際に私が立ち会った現場でも、これを実践しAED使用まで非常に時間が経過していましたが患者が蘇生しました。

そのため、ガイドラインにはここまで書いていませんが
Hands only CPR +気道確保
を推奨させてもらいました。

最後にAEDについて
エチオピアの国にも幸い病院には除細動器が設置されています。

講座では
心臓振盪を例に
心臓に疾患がない人でも
あるタイミングで胸に衝撃が加わると心肺停止に陥ってしまうこと。
特に子供は胸骨が柔らかく起こしやすい事を説明しました。

また全国各地に設置されるようになったAEDですが、使用を怖がってしまう方も多いじゃないでしょうか。

AED
フタを開けたら音声ガイダンスが流れ、使用者はガイダンスに従うだけです。

電気ショックは
心室細動
心室頻拍(180拍/分)
この2つの場合のみに適応され

通常の心拍、また心停止には電気ショックは行われません。

このような知識が無いと
どうしても使用する事をためらってしまうと思います。


さらに女性のブラジャーは外さずに使い捨てパドルを離して装着すればよいなど…


前職でこんな講座はたくさん実施させてもらいましたが約3年ぶりにやるのは緊張しました。

資料を作るのに
いろんな資料を探しましたが不確かな情報を使いたくなく

前職の先輩に相談したところ
参考資料を直ぐに送って頂けました。

おかげさまで
覚束ない説明でも講座らしくなり
ボランティアの方々からも良い感想をもらうことができました。

AEDを購入する機会があったら
迷わずオレンジの日本製です!

本当にありがとうございました。

デモンストレーションで使用したマネキンは首都のマーケットで購入して首を切って金棒を差し込んで気道確保が出来るようにリメイクしました。
この下に枕を置けば体重をかけても割れないし、胸骨圧迫の練習は最適です。

子供と大人合わせて400ブル(1600円)

講座後には
同期からチェロみたい
などちょっと遊び道具にされましたが…笑

昨年3月からずっとやりたかった講座を実施できて本当に良かったです。

今度はこれを
エチオピア人にやることが私のミッションです。


首斬り弘太郎