自分の命は自分で守る

自分の命は自分で守る


試合が終わり
変な雰囲気…

終了間際立て続けに失点した事も重なったのか
選手に向けて投石が

それに対して
配備していた軍が催涙弾を撃ちだしました。
ボン、ボン、ボン
スタンド右側の観客達が逃げ始める。

威嚇射撃だろ
変に逃げたら標的になるから
落ち着いて

そんな風に思っていたら
私の周りにいた観衆達も一斉に逃げだしました。

えっ?
こっちも?

アブエ!!(私の現地名)
Come Come!!
同僚が慌てて声かけてくれて
私も逃げ始めました。

軍は観客席の上にも下にも
催涙弾を撃ちまくって逃げる場所がなくなり

薮の中を駆けずり降りて
スタンドを離れる事ができました。

ところがそこにも手投げ式の催涙弾

吸い込んでしまったのか
喉が痛くなり、咳き込みながら
ゲートまで走りました。

他の観客も喉や目が痛むようで辛そう

ゲートから観客席を見ると
逃げる際に負傷したのか
あちらこちらで
うずくまって倒れている人が見えました。

まだどうなるか分からない状況
早くゲートを出た方がいい

外に出ると
周りのエチオピア人達から
水を分けてもらい
うがいして

露店のおばちゃんが家から
石鹸と水を持ってきてくれて
すぐに顔や手を洗う事ができました。

そして
JICAスタッフ、健康管理員に報告の電話
(報告義務があります)

気持ちが落ち着いてくると同時に
恐怖がやってきました。

何が危険でどう対処すべきか
まったく分からなかった

実際に
私は逃げ遅れていました。
これが実弾だったら
もっと大規模だったら
同伴する友人がいたら

いろんな事が頭をよぎり
どんどん怖くなりました。


以前も街中で
物乞いを断った際に
ケンカをふっかけられ
飛び蹴りをされた事がありました。
(当たってません)

変に反抗すれば
ナイフや凶器を持っているかもしれない

その時は現地語を使って
周囲に助けを求めてやり過ごせましが
今回のような場合はどうすべきなのか…


ここはアフリカ
日本人の感覚ではいけない


翌日に
同僚達から話しを聞くと
軍は選手を守る義務がある
だから、そんな対応をとったんだよ


以前の任地ウォルデイアでは
試合に勝ち、群衆の勢いを軍は制圧出来ず、フェンスを壊しスタジアムに乱入

見方を変えれば
スポーツ選手がアウェイゲームで危険な目に合わないためには必要なのかもしれません。


何がなんだな分からず
逃げ惑う恐怖

知らない外国人にも
水を分けてくれるエチオピア人の優しさ

スポーツ選手の安全対策

今回の件でいろんな事を感じたし、疲れました。

とりあえずサッカーの試合…
しばらくは遠慮します。